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7話 安定した経済基盤を手に入れる




 アリの養殖で安定したポイント収入を得られることに、気が付いて2週間。


 イッシャクムカデとサンドゴーレムを使い、コツコツと”アリの巣”を集めた僕は……コアルームで増えるポイントを眺め、喜びに浸っていた。



ダンジョン名:めぐみのダンジョン

属性:土

順位:30/30(311/311)

保有ポイント:74834→88148

地脈ポイント:3ポイント/日

階層:1



「くくっ。日給3000ポイント超え……いい響きだ。現金とポイントの交換レートは1:1だから、お金に換算したら3000ロルくらいかな?」


 毎月5万ロルの奨学金でやり繰りしていた僕にとって、自力で掴み取ったこの収入は誇りそのもの。



「ダンジョンの機能を充実させたあと、ポイントが余り出したら、ステーキを買ってお腹いっぱい食べるんだ! あと、ふかふかのベッドも欲しい!」


 食費と破れた服の買い替えで出費がかさみ、まだ貯蓄は出来ていないけど……これからも増えていくだろう日給を思うと、楽しみでしかたないよ。



「最初の数日はすごく大変だったけど、サンドゴーレムに作業の手順を覚えさせたから、これからは半自動でやってもらえる」


 飼育スペースを広げるのも、初期投資が必要なだけで月々の家賃はかからないから……今後も予算の範囲内でスケールし、巣の数を増やしていくつもりだ。






「とりあえず、収入の目処は立った。次は<自販機作製ギフト>の再検証をしよう!」


 飲み物を安く買えるだけでも助かっているけど……欲を言えば、食べ物もお得にゲットしたいからね。



メグミ(16)

種族:魔人族(魔王)

職業:ダンジョンマスター(見習い)

HP:198/307

MP:10690/10690

スキル:回復魔法B・物理耐性C・精神耐性D

ギフト:自販機作製F

その他:称号 (元サンドバッグ)



「自販機作製ギフトのランクを上げるには、どうすればいい? 僕にとって最適な方法はなんだろう?」


 ラヴィレンス高等学園にも、”ギフト持ち”は在籍しており……


 彼らは基礎力を磨くとともに、ギフトと関連する事に力を注いで、ランクアップを目指していた。



 それを、自販機作製ギフトに当てはめると……


 僕自身が強くなる・自販機に沢山ポイントを突っ込む・ダンジョンの規模を大きくする・才能がないため努力しても変わらない……あたりが有力かな。



「自分の力に比例して伸びる……ってパターンだと、短期間でのランクアップは無理だ。素質が無さすぎて変わらない場合も、結果が出ないのは一緒」


 自販機での利用総額が条件の場合、手持ちのポイントを突っ込めばランクアップできるかもしれないけど、何も得られなかったときのリスクが大きすぎる。


 試すにしても……保有ポイントに、余裕が生まれてからにしたい。



「ふむ。最初は無難に、ダンジョンの規模拡張から始めよう。ポイントを使うのは同じだけど、コッチなら仮説が外れても投資した機能は残るからね」


 自販機作製ギフトは、人間からダンジョンを管理する者……つまり”魔王”になったとき得たものだ。


 ちょっと無理筋な気もするけど、魔王とダンジョンの繋がりが深い場合、ランクアップの可能性はゼロじゃない!






ダンジョン名:めぐみのダンジョン

属性:土

順位:30/30(311/311)

保有ポイント:88148→25967

地脈ポイント:10ポイント/日

階層:2



 覚悟を決めた僕は、保有ポイントを6万以上そそぎ込み、ダンジョンの規模を拡張した。


「必要な改築ばかりだから、ムダ遣いじゃないんだけど……なんだか大人買いした気分。豪勢にパァ〜っと使うのって、やっぱり楽しいものなんだな」



 元々増築する予定だった飼育室は、1部屋→5部屋へ増やし、新たに追加した2階層へ移動。


 1階層の砂漠迷路も、より複雑かつ巨大化したよ。



「ダンジョンにいるモンスターは、相変わらずムカデとゴーレムのみだけどね。まだ2万ポイント以上残っているから、もう1階層追加しようかな」


<−−− パッパラ〜♪ −−−>


 そう思って階層追加の手続きをしたとき……突然、頭の中でファンファーレが鳴り響いた。



「えっ、なに!? 何があったの!?」


 慌ててステータスを確認すると、そこには待ち望んでいた結果が……。



メグミ(16)

種族:魔人族(魔王)

職業:ダンジョンマスター(見習い)

HP:198/307

MP:10690/10690

スキル:回復魔法B・物理耐性C・精神耐性D

ギフト:自販機作製F→E

その他:称号 (元サンドバッグ)



「へぇ〜。個人的には、自販機での利用総額がランクアップの条件だと思っていたけど、ダンジョンと連動して伸びるタイプだったのか」


 コアを破壊されたら死ぬくらいだし、魔王とダンジョンは一蓮托生というか……僕の予想以上に、深くつながっていたんだな。



「まぁいいや。早速機能を確認しよう! ちょうどお腹が空いてきたから、リフレッシュも兼ねて食事休憩だ!」


 安くて美味しい食べ物を、買えるようになっているといいなぁ〜。

読んでくださり、ありがとうございます!


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作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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