57話 敵のモチベーションを下げるために
5082 名前:メグミ(78期)
よしっ、こんなところかな^^
サーシャ、お疲れさま!
あとは実際に作ってみて、都度改善ってことで。
5083 名前:サーシャ(78期)
分かった。
メグミ君、アイデア出し手伝ってくれてありがとうm(_ _)m
まだ誰一人撃退できてないけど、上手くやれそうな気がしてきたよ!
5084 名前:メグミ(78期)
その意気だ!
僕と一緒に頑張ろう^^
仮眠と食事休憩をはさみつつ、半日ほどサーシャとアイデアを出し合った結果……<天国と地獄フロア>に追加で組み込む、具体的な要素が決まった。
コンセプトは「汚物ナシで、敵のモチベーションを徹底的に下げる」だ!!
〜追加要素その1:フロアに設置するルーレットは10個。定員はバラバラ〜
・ダンジョン運営ルールにのっとり、やり方次第で突破可能な道を残しつつ……財源確保のため、侵入者から多くのお金をむしり取る。
・ルーレット参加に必要な人数を、各扉3〜10名と変えることで、敵の心に波をつくり精神的な負荷を与える。
・最低でも50名以上の知的生物を集めないと、下の階層へ進めない構造になっているため……勇者など、特筆して優れた個人を足止めすることも可能。
〜追加要素その2:ダンジョンの2階層および、最下層の1階上に置く〜
・<未設定のダンジョン>の実質的な開始点である、2階層に徴収系フロアを配置することで、侵入者全員からルーレット代を徴収。
・上層階でリスクなく時間稼ぎできるため……今後猛者が攻め込んできたとき、其奴のタイプに合わせた”対策フロア”を、追加する余裕が生まれる。
・100%発生する支出を一番初めに設けることで、「生活費のために働いている冒険者」のモチベーションを下げ、組織だった攻略を妨げる。
・ダンジョンの構造的に、ボス部屋の近くまでたどり着く猛者はせいぜい十数人だから……下層階の<天国と地獄フロア>は、実質的に攻略不可。
〜追加要素その3:ルーレットで「扉解放」を引き当てても、外れた残りの参加者が、指示どおりのアクションを起こさない限り進めない〜
・ハズレを引いた人の中でも格差を設け、面倒くさい指令(罰ゲームとも言う)を組み込むことで、さり気なく時間を稼ぐ。
・互いの様子をモニターに映し出すことで、参加者に扱いの差を認識させ、不満とギスギス感をあおる。仲間割れが起きれば儲けもの。
・“豪運”系ギフトを持っている敵がルーレットを一発で通過し、サーシャのダンジョンを「楽勝♪」と思わぬよう、人間同士の「僻み・嫉妬・足の引っ張り合い」を活用する。
〜追加要素その4:累計課金額を表示する〜
・本人がスった金額の合計を表示することで、もれなく侵入者を不快な気分にさせ、モチベーション低下に繋げる。
モニター越しに、他者の課金額も見えるため……マウント合戦や喧嘩勃発で、ダンジョン攻略どころじゃなくなる可能性アリ。
また……<天国と地獄フロア>以外にも、予算の範囲内で追加できそうな、”いやらしい案”を2つ用意したよ。
「まずは<闇落ちフロア>。この階層を一言で表現すると……僕のダンジョンにある<お化けフロア>を、オシャレかつ豪華にしたもの」
大量のポイズンスライムを飼わなきゃいけないから、砂漠より維持費がかかるけど……雰囲気と殺傷性は、段違いでコチラの方がいい。
スライムで埋もれて見えない場所に、極限まで細くしたオリハルコン糸を使うことで、コストのわりに殺傷力を上げているのが工夫ポイントだ。
〜闇落ちフロア〜
真っ暗闇の中、延々と幅30cmの細長い道を進むことになる。
道の両側にはポイズンスライムの池があり、何かの拍子で足を滑らせると池にドボン。
またスライム池には、さり気なく<オリハルコンの剛糸>が仕掛けられているため……落下場所が悪いと、自らの重さで肉体を切断されてしまう。
「このフロアの担当は、そこまで維持費がかからないレイスに任せる。彼らは、純粋な戦闘力こそ低いけど……」
不定期にカナギリ声をあげたり、後ろから幽霊として現れたりと……人間の恐怖心を煽るのに長けているからね。
「もう一つは<油湯フロア>」
Bランクモンスター<不死鳥>の熱を利用した、<未設定のダンジョン>唯一の火属性フロアだ。
〜油湯フロア〜
オイルスライムが生み出した油を、迷路フロア全体に敷き、床を温めることで不快さ満点の空間に仕上げている。
そのうえ、砂やガラス片のような固体が混ぜ込まれているため……侵入者は歩くのに力を込めねばならず、体力を消耗する。
また不定期で、熱した油が頭上から降ってきたり……肉体切断用のオリハルコン糸が、足元に仕掛けられていたりするため殺傷性も高い。
「サーシャのダンジョンは風属性だから、本来であれば、相性の悪い火属性なんて導入できないんだけど……」
以前、<ルーキーの居場所を突き止めよう>ミッションで貰った、<モンスターの卵>から生まれた不死鳥が、熱源の役割を果たしてくれるから大丈夫!
「床の表面部に熱伝導性が高い素材を敷くことで、不死鳥の熱を余すことなくフロアへ拡散。一旦温度を上げた後は、密閉空間で保温力があるダンジョンの特性を利用して、アツアツの状態を維持すればいい」
キャパシティーの問題で、油の温度を100℃以上に保つのは難しいけど……人間にとって脅威となる、60℃前後で維持することはできるはずだよ。
読んでくださり、ありがとうございます!
この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)
モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!
作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)