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14話 ミスリルゴーレム召喚




 ダンジョンが平穏な状態に戻ったので、僕はサンドゴーレムに”アリの巣掘り”を再開させ、コアルームで戦後処理をはじめた。


 今回はBランク冒険者を4人も殺せたので、彼らの生命エネルギーがダンジョンに回収され、大きなポイント収益になったよ。



ダンジョン名:恵のダンジョン

属性:土

順位:29/29(308/308)

保有ポイント:100628

地脈ポイント:76ポイント/日

階層:10



 ポイントだけでなく、冒険者の所持品も丸取りできたので……さっそく彼らが遺した装備を回収し、使えるものがないか1個ずつチェック!


 自分の意思で4人も殺した直後に、物やポイントへ目がいく僕は、薄情なのかもしれないけど……彼らは僕を害そうとしたんだ。


 逆襲され全てを奪われたって、文句は言えないと思うんだよね。



「よしっ、この魔法杖とナイフは使えそうだ! ダガーは重すぎて扱えないから、今後力持ちのモンスターを呼んだとき渡そう」


 宝石付きの美しい剣は、飾るくらいしか使い道がないので……大規模な討伐隊がやってきたとき、奴らの欲望を刺激する道具にしようかな。



 死者が遺した”干し肉”を食べるのは、さすがに躊躇われたので……他の保存食やパンと一緒に、ご褒美としてスライムにあげた。


 あの子達はそこら辺無頓着だから、嫌がることもなく美味しそうに食べてくれたよ。



「マジックバッグ持ちだったからか? 今回の4人組は、予備の武器〜日用品まで幅広い物資を持っていたな」


 もしかすると、宿へ置きっぱなしにして盗られるのを嫌い、全ての所持品を持ち歩いていたのかもしれない。



「オッサンの下着や、使用済み歯ブラシを使い回す気はないけど……洗濯してある服とズボンは、買うと高いから貴重なんだ!」


 高ランク冒険者だけあって、しっかりした布地のいい服を持っていたので、ありがたく再利用させてもらいます。






 帳簿上の処理を終え、急ぎの仕事から解放されたので……メロンパンを頬張りながら、反省点と今後の課題について考える。


 僕の周りでは、今回出番のなかったイッシャクムカデ部隊が、「自分達もご褒美ほしい!」と主張して、獲得したミルクパンをかじっているよ。



「戦いの中で怖いと感じたのは、分断トラップで落下させる先が7〜8階層ってこと。7階層はまだいいとしても……」


 居住区画のすぐ上にある8階層へ、高ランク冒険者をポンポン落とすのは危険すぎるだろう。


 居住区画と”トドメ部屋”の間は、最低でも1階層……できたら2階層以上あけ、殺害失敗時のリスクを減らしたい。



「もう一つの課題は、ポイズンスライムの生産スピード。今のままだと、元の個体数まで戻すのに10日はかかる」


 ポイズンスライムは、<渦>という”買い切り自動生成装置”でも、生み出せるモンスターだから……帳簿上のポイント損失はない。


 最初に仕掛けを用意したときだけは、時間短縮のために、”スライムプール”一杯分のみ購入したけどね。



 とはいえ、毎度買うわけにもいかないし……スライムの個体数が戻っていない状況で、大規模な討伐隊に襲われると危ないから……


 今後は回復速度が気にならなくなるまで、得られたポイントを使って<スライムの渦>を増やすつもりだ。






「だけど……まずは当初の予定どおり、ボス部屋にミスリムゴーレムを置きたいな。最終防衛ラインが、いつまでも空室なのは寂しいもん」


 そう思った僕は、コアルームからボス部屋へ移動して、ミスリルゴーレムの召喚手続きを開始。


 購入画面で10万ポイント支払うと、目の前に美しい光沢を持つ、巨大なゴーレムが現れた。



ダンジョン名:恵のダンジョン

属性:土

順位:29/29(308/308)

保有ポイント:100628→628

地脈ポイント:76ポイント/日

階層:10


ミスリルゴーレム

ランク:B

HP:40000/40000

MP:1000/1000

スキル:剣術C・格闘術C・魔法耐性B・自己修復D

維持費:3000ポイント/日

詳細:頑丈さと高い魔法耐性を持つ、ミスリルのゴーレム。

   MPを対価として、己の体についた傷を癒すことができる。



 維持費は、”3000ポイント/日”とバカ高いけど……Bランクモンスターだけあり、高い防御力と優れたスキルを持っている。


 Bランク冒険者がパーティー単位で挑んで、ようやく互角に戦えるレベルなんだから、強いのは当たり前か。



「ミスリルゴーレム君、はじめまして。僕がこのダンジョンの魔王<メグミ>です。君にはボス部屋を任せるから、頑張って守り抜いてね」


「マスター。ショウチシマシタ」



「武器が必要なときはコレを使ってくれ。Bランク冒険者が遺した、水属性付きのミスリル剣だ」


「ハイ。アリガトウゴザイマス」



 言葉を話せることからも分かるように、ミスリルゴーレムは脳筋モンスターじゃない。


 HPが倍になるという、ボス部屋補正を加味すれば……よほど相性が悪くない限り、侵入者に負けることなど無いだろう。



「くくっ……! ボス部屋が埋まったことで、コアルームの安全性は一気に高まった」


 これからは、毎日安心して眠れそうだ。

読んでくださり、ありがとうございます!


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作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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