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13話 メグミの仕掛けた罠


〜冒険者side〜




<−−− 最終結果を発表します。回答者ボツリフ、10問中0問正解。黄泉の旅へご案内します −−−>


 意味不明なアナウンスが流れると同時に、足元の砂がガバッと崩れ……避けそこねた俺はそれに巻き込まれた。



「こんクソ野郎、また同じ造りの”落とし穴”じゃねぇかよ! ちんけな罠で脅かしやがっ……!?」


 ちょっと待て、前回までと様子が違うぞ!



 これまでと同じタイプの罠なら、すでに落下の感覚が消え、頭に砂が降り注いでいるはずだ。


 もしかして今回の”落とし穴”は、底がないんじゃ……?



「マズイぞ、本気で殺しにきている! 命の源たる水よ、堅き紐となり我を守りたまえ。ウォーターコード」


 嫌な予感をおぼえた俺は、水のロープをどこかへ巻きつけ……アリ地獄のように引きずり込まれる、自身の肉体を支えようとしたが……



 壁・天井ともツルツルで引っかかりがなく、地面はサラサラの砂に覆われている。


 人数制限クイズのせいで、仲間と分断されているから……彼らにロープを引っ張ってもらうこともできない。



「嫌だ、俺はまだ死にたくねぇ! モブサップ! バーター! サブルージ! まさか全員、この卑怯な罠にはまって殺され……」


 なす術もなく”落とし穴”にのまれた俺は、砂で口を塞がれる状態となり、底なし沼へと落ちていった。






 周りの砂ごと、下へ落とされた俺がたどり着いた先は、”地獄”と呼ぶにふさわしい死地だった。


 俺の家が丸ごと入りそうな空間には、ポイズンスライムがギッシリと詰め込まれており、毒々しい紫色のプールを形成している。



 スライムは弱いモンスターだが、ソイツ等の中に埋まり……足の踏ん張りがきかない状態で、生還するのは至難の業だ。


 俺が落ちたと思われる穴は、はるか上空にあるため……飛行魔法が使えるほど優秀な、風魔法師じゃないかぎり脱出も不可能だろう。



「あぁ、身体に毒が回ってきた。解毒ポーションが入っているマジックバッグは、落下の衝撃で手放しちまったし……俺の人生もここまでかな」


 モブサップ、バーター、サブルージ……ダンジョンの難度を見誤るような、愚かなリーダーですまない。



 領主様、ギルド長……このダンジョンを創った魔王は危険です!


 成長する前に殺さなければ、手のつけられない規模となり、人類に災いをもたらすでしょう。



「クソッ! 人でありながら闇に堕ちたクズめ。砂漠の魔王よ、俺は死んでもお前を許さないぞ」


 動かなくなった肉体をスライムに食われる中で、俺が最期に見たものは……スライムプールの底に散らばる、仲間の装備品だった。




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〜メグミside〜




「これで、あと一人……。よしっ、殺害ポイントが追加された! 勝った、勝ったぞ! 僕らのダンジョンが、Bランク冒険者に勝ったんだ〜!!」


 <砂漠の水神>というパーティーは、4人全員が水魔法スキルを持つうえ……トラップにはまった程度じゃくじけない、ベテランだったから苦労したよ。



 それでも分断迷路で人数を絞り、一人ずつ8階層のモンスター部屋(プールver.)へ落としたら、ポイズンスライム100体程の犠牲で倒せた。


 身体を張ってトドメを刺してくれたスライム達には、頑張ったご褒美として、美味しいパンをご馳走しなきゃな。



 ちなみに、親を困らせている15歳の少年は……10年後(生きているなら)、25歳になっているから……


 “問1”の答えは、「死んだか25歳になっている」だ。



 「円を描くとき必ず使う文房具は?」という”問5”も、”精密な円”という条件付けがないので、”コンパス”という答えは間違い。


 フリーハンドで丸を描くだけなら、「紙」と「ペン」で充分なんだよ。



「意地悪なクイズを出して間違えさせたあと、”お通りください”って言葉を使うと、普通の人は正解だと思い込んで、外れの道を進んでくれる」


 あとは後ろの扉を閉めることで、不正解者の退路をたち……任意のタイミングで、”床抜け”の罰ゲームを執行すればいいだけ。



「互いの短所をおぎなえるよう、訓練してきた冒険者パーティーを分断すると、個々人の弱点を突きやすくなるからね」


 仲間と一緒に動くのが、当たり前になっている彼らは……知らず知らずのうちに慢心し、自分単体での実力を見誤るのだ。



 そして、個々の弱点と相性がいいトラップを、油断しているタイミングで作動させれば……


 冒険者の中でもエリートに分類される、Bランクパーティーですら、最小限の犠牲で倒せるんだよ。






〜今回の戦いで獲得したもの〜

・冒険者4人の滞在ポイント(概算360P)

・冒険者4人の殺害ポイント(約12000P)

・装備一式

・各種ポーション

・4人が持っていた現金(約130万ロル)

・保存食の干し肉etc.


〜損失〜

・ポイズンスライム約100体

・各種トラップの復旧費用(約200P)

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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