転生
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目が覚めるとそこは見知らぬ場所だった。
(ここは?…そうだ。俺は死んで転生したんだっけ。あの女神め。突然送りやがって。こっちのこと、何もわかんないんだけど。)
「おぎゃー。」
俺は赤ん坊に生まれ変わったらしい。目の前には金髪のおっさんと金髪の女性がいる。女性のほうはドレ
スを着ていて、中世の貴族のようだ。
「俺たちに似てかわいい子だ。」
「そうですわね。」
「この子の名前はセルスだ。セルス=アストロム。わが子にふさわしい名だ。」
「セルス。いい名前ですわね。」
俺の名前はセルスになったらしい。
「俺たちの子だ。きっと素晴らしいスキルとステータスを持ってるぞ。」
「ええ。6歳になるのが楽しみですわね。」
スキルとステータスだと?そんなものがあるのか。ステータスって唱えたら表示されたりしないかな。
(ステータス)
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ステータス
セルス=アストロム 人族 0歳 Lv1
称号:神の使い
HP:1/1
MP:1/1
筋力:1
俊敏:1
防御:1
器用:1
運 :100
固有スキル:鑑定眼
通常スキル:なし
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おおー。これが俺のステータスか。しょぼいな。赤ん坊ってみんなこんなもんなのか?まあ、鑑定眼があるだけいいか。神の使いって…。そうか、一応俺って魔神を倒さないといけないんだっけ?まあまだ赤ん坊なんだ。今からどうこうしろって言う話じゃないよな。でもパートナーぐらい知りたいよな。二人で一組なんだろ。パートナーがわかんなきゃ、どうしようもない。
俺は二人が居なくなったすきに、自分の体を確認する。鏡に写った自分は、金髪碧眼の可愛らしい男の子だった。前世の面影など、どこにもなかった。それはそれで悲しい気もするが、1からすべてやり直すという点では、こっちのほうが良かったかもしれない。
半年が経過した。俺はオネイロス王国の子爵アストロム家の長男らしい。この世界では、魔神配下の魔王が人族などの土地に攻め込んでいる。そのためオネイロス王国やその周辺の国との関係は良好らしい。
また、ステータスは15歳までは成長とともに伸びていくとのことだ。赤ん坊はみんな1からスタートするので、俺の生まれた時の値は正常らしい。努力するとした分だけ伸びるそうだ。
なので俺は鍛えることにした。とはいえ、0歳児に筋トレは出来ないので魔力(=MP)を鍛えることにした。鑑定眼を使うと、魔力を消費する。そして魔力がゼロになると眠気が襲ってくる。起きた時には魔力が1増えているというわけだ。それを繰り返すと、どんどん魔力が増えていくということだ。
そして、ずっと魔力を消費していたためか自分の体を強化する『身体強化魔法』を取得したようだ。通常スキルは鍛えている間に突然取得できるらしい。それはともかく、これが半年間俺が鍛えた成果だ。
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ステータス
セルス=アストロム 人族 0歳 Lv1
称号:神の使い
HP:12/12
MP:107/107
筋力:8
俊敏:8
防御:5
器用:12
運 :100
固有スキル:鑑定眼
通常スキル:身体強化(Lv1)魔力感知
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この世界の平均がHPから200,200,50,50,50,50,10だそうだ。
固有スキルは基本1人1つで、通常スキルが3個ぐらいだそうだ。このままの調子で魔力を鍛えていったら、あっという間に世界一の魔力保持者になるかもな。そうすれば、きっとモテるだろうな。美少女に囲まれてハーレムできるかも。異世界最高!
俺は3歳になった。俺はアストロム家の長男として、それはもう大切に育てられてきた。だが、父さんと母さんは、全く外に出してくれない。外に行きたいと言っても、無視される。なぜだろう。
俺はとうとう我慢できずに、こっそり外に出ることにした。
「おお〜。これが異世界の街か〜。本当に中世のヨーロッパのようだな。」
俺は街の中をぶらぶらと歩く。俺は通りすがりの人に気になっていたことを聞く。
「おじさん!ここのまちのりょうしゅさまって、どんなひと?」
「坊や。そういうことは聞いちゃいけないんだよ。うっかり悪口でもいうと、連れてかれちゃうかもしれないからね。」
俺はそれを聞いて絶望した。今まで父さんの仕事を見てきていなかったから知らなかったが、父さんはまるでソ連のような恐怖政治を行っていたのだ。このままだとクーデターでも起きそうだ。俺から父さんに言っても何も変わらないだろうし。割と詰んでいるかもしれないな、この人生。
俺はせっかく街に来たからと、街を観察することにした。将来俺が治めるかもしれないしな。
すると、ある施設に人が集まっているのが見えた。
「ねえねえ。あそこのひとたちってなにしてるの?」
俺は通りすがりのおばさんに尋ねる。
「あれはね。6歳になった子供が固有スキルってやつをもらうために集まってるんだよ。坊やももう少ししたら行くことになると思うわよ。」
「へえー。ありがとね。」
教会でもらうのか。俺もいいスキルを貰いたいけどな。
すると、教会から泣いてる男の子と怒鳴り散らしている父親らしき人が出てきた。
「お前はなんて外れスキルを貰ったんだ!」
「ごめんなさい。ごめんなさい。」
男の子は必死に謝っている。ハズレスキルをひいたらああなるのか。ハズレスキルだけはやめてください、女神様。
俺は転生するときに出会った女神に祈っておく。魔神討伐を依頼されたんだ。きっといいスキルを貰えるはずだ。
あっという間に俺は6歳になった。俺もついに固有スキルをもらいに教会に行くことになった。
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