リベタス連合国へ
「セルス君!なんで逃げたの!」
安全な場所まで行くと、俺はヘレネに問い詰められていた。
「ごめん…。俺の力がなかったばかりに…。俺にもっと力があれば全員助けることができたのに…。」
俺はただ謝ることしかできない。
「そうだよね…。セルス君に八つ当たりしてもだめだよね。今回のこともお父さんの指示なんだよね?もう、気にしても仕方ないか。…お父さん…。」
ヘレネが泣きそうな顔をしている。当たり前だ。まだ8歳なのに親と永遠になるかもしれない別れをしたんだ。しかも、しっかり別れもしていないんだ。普通、耐えられないよな。それなのに俺は、お義母さんとの別れの挨拶もしたし、お義母さんは死なないだろうし。罪悪感に責められる。
「ヘレネもアテネもごめん。勝手に連れ出して。2人だけは絶対に助けたかったんだ。」
俺がそう言うと、2人は顔を真っ赤にした。
「セルス君って、天然女たらし?これが普通なの?」
「そうなんだよね。いつもドキドキさせられて、本当にずるい。」
めっちゃ失礼なことを言われている気がする。俺はただ本心で言ってるだけなのに。
「とりあえず、リベタス連合学院に行こう。そこの学院長が俺のお義母さんと知り合いらしいんだ。そこに行けば何とかしてくれるらしいよ。」
「そうなんだ。その学院ってレべタス連合国にある学校だよね。ここからだと歩きで2週間ぐらいで到着するかな。」
「へえ。アテネって物知りなんだね。そんなこと教そわったことないな。いつ教わったの?」
「セルスが素振りとか筋トレとかしてるときにね。私は家にある凄そうな本を片っ端から読んで
たら身に着けちゃった。」
アテネがてへっって舌をだす。めっちゃ可愛い。見惚れいたらヘレネがジト目で見てくる。頬を膨らましている。ぷくっとした頬が可愛い。ってか、2人とも可愛い。俺、この先不運なことしかないのかも。日々、気を付けて生きないと。
「と、とりあえず出発するか。」
これ以上この話をすると、面倒くさいことになりそうだ。
俺たちはリベタス連合国に最短距離の森を突っ切っていく。
「うーむ。この森の魔物、そこそこ強い奴らだな。よしっ。ヘレネ!レベル上げ、するぞ。」
「レベル上げ?」
「うん。まだヘレネのレベルは低いじゃん。もっと強くなっとかないとこの先、森を抜けるときに苦労しそうだからね。この森で瀕死の魔物を殺していけば、あっという間に強くなれるよ。」
ヘレネは王族だからな。冒険しに行って魔物を狩ったことはないんだろう。今のヘレネのステータスはこんな感じだ。
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ステータス
ヘレネ=レガトゥス 人族 8歳 Lv1
称号:神の使い
HP:231/231
MP:1032/1032
筋力:39
俊敏:40
防御:35
器用:201
運 :10
固有スキル:大賢者
通常スキル:魔素吸収(Lv4) 魔法威力増加(Lv7) 対魔法攻撃効果減少(Lv2)
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「大賢者」
多くの事象を知るもの。特に魔法について、良く知ることができる。
効果 全ての魔法を習得することができる
詠唱破棄をすることができる
通常スキルの獲得制限がなくなる
新たな通常スキルを習得しやすくなる
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ヘレネのステータスもなかなかチートだ。ヘレネも鍛えれば、俺やアテネぐらいに強くなれる。
というわけで、今のうちに鍛えておきたい。いずれ2人とは一緒のパーティーを組むことになるだろうしな。強い魔法使いは大事だ。俺もアテネも魔法だけは下手だからな。
俺はリベタス連合学院に向かいつつ、ヘレネを徹底的に鍛え上げた。アレスとの訓練よりもハードだっただろう。なにしろ、休みは1日平均5時間しかないのだから。その成果か、俺たちのレベルは大きく上がった。ここの森の魔物は、魔の森の魔物よりも全体的に強く、俺達でも十分特訓になった。俺たちのステータスはこうなった。
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ステータス
セルス=アングルス 人族 8歳 Lv40
称号:神の使い
HP:7021/7021
MP:15431/15431
筋力:1892
俊敏:1621
防御:1466
器用:1435
運 :250
固有スキル:神眼Lv4 神聴Lv3 神の奇跡
通常スキル:すべて
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ステータス
アテネ=アングルス 半神半人 8歳 Lv38
称号:創造神レアの娘
HP:?/?
MP:?/?
筋力:?
俊敏:?
防御:?
器用:?
運 :?
固有スキル:創造神の加護 創造神の寵愛
通常スキル:すべて
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ステータス
ヘレネ=レガトゥス 人族 8歳 Lv24
称号:神の使い
HP:730/730
MP:4291/4291
筋力:142
俊敏:137
防御:135
器用:368
運 :20
固有スキル:大賢者
通常スキル:魔素吸収(Lv6) 魔法威力増加(Lv8) 対魔法攻撃効果減少(Lv4)
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なかなか強くなったんじゃない?ヘレネもBランク級のステータスぐらいに成長した。これなら一流の冒険者にもなれるだろう。扱いた甲斐があった。
森の中を走っていると、ついに開けたところに出た。
「おっ。街が見えてきた。リベタス連合国の王都ミズガルズ、リベタス連合学院があるところだな。」
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