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戦後

目を開けると目の前にアテネがいた。


「セルス!」


突然、アテネが飛びついてきた。


「3日も目を覚まさなかったんだよ。」

「3日も!?」


あの後、3日も目を覚まさなかったのか。MPの消費し過ぎは危険なのか。


「アテネはどうだった?」

「私はギリギリ大丈夫だったよ。」

「そうか…。それで、みんなは無事なのか?」

「うん。誰一人かけてる人はいないよ。アレスはまだ眠ってるけど。」

「よかった。」


その後、いろいろな人が俺をお見舞いに来た。まず初めに来たのは、ディホンだった。


「目覚めになられましたか。体調はいかがですか?」

「ああ、大丈夫だ。何の問題もないよ。」

「よかったです。私らが足を引っ張ってしまった為にこんなことに…。」

「そんなことないよ!ディホンたちがいなかったらセクメトにさえ勝ててなかったよ。」


俺は声を大にして抗議する。


「そんな…。感動です。英雄様はなんと親切なことか。」


ええ…。そんなに泣かれても…。足手まといだったけど、そんなこと言うわけにはいかないから建前を言っただけなんだけどな。

次に来たのは竜人族の娘だった。


「お目覚めになられましたか。度々ありがとうございました。私らでは何もできてませんでした。なんとお礼を申せばよいか。」

「そんなことないよ。…えーと、君もそのうち強くなるよ。…で、申し訳ないんだけど君の名前、なんだっけ?」

「私ですか?そういえばまだ名乗っていませんでしたね。私はディホンの娘のテメルと申します。」

「テメルっていうのか。これからもよろしくな。」

「はい!突然なんですがお願いがあります。私を鍛えてください!先ほども申しましたがセルスさんのように強くなりたいんです。お願いします!」


テメルが頭を下げてお願いしてきた。俺って昔から押しに弱いんだよな。小さい子に頭を下げられたら断れないよな。


「いいけど俺たちみたいにアレスに教わるってことでいいか?」

「もちろんです!ありがとうございます。」


泣いてお礼を言われた。竜人族って涙もろいのか?みんな泣いてないか。

最後に再びアテネが来た。


「セルス。もう一回来ちゃった。」


アテネがてへっと軽く舌をだす。すんごい可愛い。俺のハートが撃ち抜かれた気がした。


「そうそう。アレスの目が覚めたんだよ!」

「本当か!アレスは大丈夫か?」

「うん。元通りだよ。一週間もすれば訓練を再開できるようになると思うよ。」

「よかった…のか?また地獄の訓練が再開されるのか…」


その後、俺とアテネは他愛のない会話をした。


「そうだ。ディホンの娘さん、名前はテメルっていうんだけど、彼女がアレスの訓練を受けたいって言ってたよ。」

「そうなんだ。いいんじゃない?アレスも喜びそうじゃない?」

「確かに。『しごきがいがありそうですね』とか言いそうだしな。」

「ね!後で、アレスに聞いとくね。」

「よろしく。」



翌日、俺たちはアレスに与えられたメニューをこなしていた。まず、朝6時からランニング。そのあとひたすら素振りをして、ノルマが終わったら魔物を18時まで狩り続ける。アレスが元気だったころのほうが楽だったのではないか、というほどつらい。


「ふう。やっと18時になった~」

「つらかったね。」

「死ぬかと思った。」

「こんなことを毎日やられているからこんなにお強いんですね。」

「まあ、そうなのかな?」

「そうじゃないと許せないけどね。」

「うん。」



地獄の特訓バージョン2のおかげで俺のレベルが上がっていた。今の俺のステータスはこんな感じだ。


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ステータス

セルス=アングルス 人族 8歳 Lv32

称号:神の使い

HP:5910/5910

MP:10420/10420

筋力:1541

俊敏:1498

防御:1206

器用:1210

運 :200

固有スキル:神眼Lv3 神聴Lv2 神の奇跡

通常スキル:すべて

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「神眼」



神の目。すべてのものを見通す力を持っている。神を見ることができる。レベルが上昇するにつれて、できることが増える。

レベル1 鑑定のみ

レベル2 +未来予知(1秒後のみ)

レベル3 鑑定のレベルアップ


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鑑定のレベルが上がったことにより、俺のステータスの詳細が見えるようになった。なかなか強くなったはずだ。だが魔神には遠く及ばないだろうな。あの威圧感はいろいろとヤバかった。魔神のステータスは今の俺のステータスの10倍ぐらいはありそうだ。



1週間後、アレスの容態が回復したので、ようやく家に帰れることになった。事情は竜人族の方が伝えてくれているはずなので大丈夫なはずだ、多分。


「ただいま。お義母さん。」

「セルス!アテネ!心配してたわよ。」


俺が1週間ぶりに家に入ると、お義母さんが抱き着いてきた。

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