98:アイアンゴーレム
本日は10話更新です。
こちらは5話目です。
「ではまずはゴーレムの構成変更ですか?」
「ああ、そうなるな」
自分のラボに入った俺は、まずリツたちに今回の探索の成果である設計図の内、渡してもいいと思ったもののデータをメッセージで送っておく。
これでその内に交換ができるだろう。
「……。行けるな」
で、本題であるゴーレムの構成変更だが……手持ちの鉄・火炎が現在27個、鉄・侵食が38個。
ただ、鉄・侵食だけでシャープネイルを作りたいので、鉄・侵食が5個減る。
よって、二種類の鉄を併せて60個が、手持ちの鉄の数になる。
これだけあれば武装以外のパーツは全て鉄で作れるだろう。
余裕や修理用の鉄についても、明日以降に素材坑道・デイマイリで回収すればいい。
よし、作ってしまおう。
≪条件を満たしたとして称号『アイアン』が与えられます≫
「これでよし」
「ブン。全身が鉄になりましたね。ところでトビィ」
「なんだ?」
という訳で作成。
全身を鉄のマテリアルで作ったという事で、称号も手に入った。
そう言えばこれって粘土や真鍮にもあるのだろうけど、属性付きで作った場合には別の称号になったりするのだろうか?
まあ、その辺は後でハンネに聞けばいいか。
「ドローンネストとドローンホーネットの再作成は無しですか……?」
「そっちは明日以降に追加の鉄が手に入ったらだな。ツリホッパぐらいはドローンホーネット単独で倒せるようになりたいとティガは思わないか?」
「ブーン、それは……思いますね」
合わせて、武装についても調整。
シャープネイルは鉄・侵食で、ヒールバンテージは青銅で、設計図をコピーして二本目のケットシーテイルを骨で、と言う感じに作っていく。
加えてアドオン『広域攻撃耐性』も作るし、特殊弾の補充もしておく。
結果、こんな状態になった。
△△△△△
トビィ
称号:『越禍のキャンディデート』
燃料:100/100
アドオン:広域攻撃耐性
アドオン:オートコレクター
頭部:デイムビーヘッド(鉄):魔力-魔術-境界-防御(特殊弾『シールド発生』銅4)
胴体:デイムビーボディ(鉄):電撃-生物-外部-DoT
右腕:ラミアアームR(鉄):物理-生物-内部-DoT
左腕:パンプキンアームL(鉄):侵食-物理-内部-拘束
脚部:オークレッグ(鉄):拒絶-魔術-境界-防御
武装:ナックルダスター(鉄・火炎):電撃-化学-外部-強化
武装:シャープネイル(鉄・侵食):氷結-魔術-境界-強化
武装:グレネードホルダー(銅):侵食-化学-外部-遮蔽(特殊弾『煙幕発生』3)
武装:ケットシーテイル(粘土):氷結-生物-内部-強化
武装:ケットシーテイル(骨):氷結-生物-内部-強化
武装:イグジッター(岩):時空-魔術-境界-脱出(特殊弾『緊急脱出弾』1)
武装:ハードバトン(真鍮・電撃):拒絶-魔術-内部-防御(特殊弾『睡眠』6)
武装:ヒールバンテージ(青銅):魔力-魔術-外部-回復
▽▽▽▽▽
「……」
「トビィ?」
「いや、アドオンで緋炭石を使う事や、武装で色々なマテリアルを使う事、それらのストックに余裕を持たせようと思ったのなら、グリーンキーパー・ケンカラシの別バージョンを倒すのも兼ねて第二坑道・ケンカラシへと向かうのも一つの手かなと思ってな」
強くはなった。
が、同時に大量の緋炭石とマテリアルを放出する事にもなった。
マテリアルについて素材坑道・デイマイリで集めればいいだけだが、緋炭石については少し量が心もとなくもある。
第三坑道・アルメコウでは現状だと何処かで脱出する事になってしまうだろうし……第二坑道・ケンカラシで緋炭石を稼ぐのはありなのかもしれないな。
「まあ今日は集図坑道・ログボナスに潜って終わりだ。少し疲れてきているしな」
『ブン。分かりました』
俺はゴーレムへと意識を移し、坑道に移動するためのエレベーターに乗る。
そして、集図坑道・ログボナスを選択する。
△△△△△
集図坑道・ログボナス
階層:1
多くのゴーレム使いが、自分の望むゴーレムを構成するために必要な設計図を手に入れるべく潜る坑道。
緋炭石もマテリアルもないが、侵入者が望んだとおりの魔物に出会う事が出来るという不思議な性質を有している。
だが、それ故に此処にだけ潜られても困るという事で、一日につき一回しか潜れないようになっている。
▽▽▽▽▽
「ふむ」
集図坑道・ログボナスのフレーバーテキストは素材坑道・デイマイリのフレーバーテキストによく似ている。
まあ、敢えての事だろう。
それよりも集図坑道・ログボナスの仕様についてだ。
「魔物の種類と色を選べるんだな。しかも別個に」
『ブン。その通りです』
集図坑道・ログボナスでは、一部例外を除き、一度でも倒したことがある種類の魔物と、一度でも倒したことがあるランクを選ぶ事が出来る。
なので俺の場合では、サーディン種を選ぶことは出来ないが、パンプキンやデイムビーと戦うことは出来る。
そしてランクについても、白から緑まで自由に選ぶ事が出来る。
よって、ホワイトオークのような、普通の坑道では出会えないような魔物と戦う事も、意味があるかは別として可能なようだ。
「キーパーと戦いたいなら坑道に潜れか。まあ、これは別にだな」
なお、一部例外とはキーパーの事である。
菫キパや緑キパβと再戦したいなら、坑道へと潜らないといけないそうだ。
『さてトビィ。今回はどうしますか?』
「そうだな……折角だしグリーンデイムビーと戦ってみるか」
『ブン、分かりました』
俺はグリーンのランクとデイムビーを選択。
するとエレベーターが止まり、坑道へ繋がる扉が開いた。