97:広域攻撃耐性
本日は10話更新です。
こちらは4話目です。
「さて確認するべきものとなると……シルリダーレッグ、鉄・侵食、マシンピストル、アドオン『広域攻撃耐性』の四つか」
「ブン。それでは順番に見て行きましょうか」
俺は飲み物を一度口にし、気分的に喉を潤してから、設計図及びマテリアルの確認をしていく事にした。
では、まずはシルリダーレッグからだ。
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シルリダーレッグ
種別:パーツ
部位:脚部
対応:物理-物理-外部-ダメージ
シルリダーの脚部を模して造られたゴーレムの脚。
太い脚部と肉厚なヒレからなる脚は、地上を歩くには不向きだが、安定性は高い。
燃料を消費する事によって、周囲へ自身以外を無差別に攻撃する衝撃波を放出する事が可能。
≪作成には同一のマテリアルが10個必要です≫
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「見た目は水泳のフィンに近いか。で、ファンタジー震脚が使えるようになる、と。流石はシルリダーの脚とでも言えばいいんだろうな、強い」
『ブン。確かに強いと思います。それで……使いますか?』
「使わないなぁ。俺の立ち回りと脚がヒレになっている事の相性が悪い」
シルリダーレッグは弱くはない。
が、俺との相性が悪いので、使い勝手が良くない、と言う感じだ。
まあ、後でリツと相談して、売れるか否かの確認はしておいてよさそうか。
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鉄・侵食
種別:マテリアル
分類:鉱石系
原子番号26、元素記号Fe。
古くから人類が利用してきた金属の一つ。
現代社会にとって最も重要な金属の一つであり、最も身近な金属の一つでもある。
とてもバランスの良い金属であり、厳しい戦いにもついていけるだろう。
侵食属性を有しており、攻撃に用いれば闇の侵食による追加ダメージを与えられ、防御に用いれば闇の侵食に対する防御を高める事が出来る。
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「ああなるほど。侵食属性ってのは、所謂、闇属性なのか」
「ブン。そのようですね。こちらは当然?」
「使う。鉄・火炎と合わせれば、どの鉄でも直せる全身鉄製ゴーレムが見えているしな」
鉄・侵食のフレーバーテキストは鉄・火炎のものとほぼ同じ。
侵食属性が関わる部分だけ違う感じだ。
とりあえず明日以降の素材坑道・デイマイリで鉄・火炎と鉄・侵食は可能な限り増やすことになるだろうなぁ。
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マシンピストル
種別:パーツ
部位:武装
対応:魔力-化学-内部-装甲貫通
マシンピストルを模して造られた拳銃。
セミオート射撃だけでなくフルオート射撃も可能。
装弾数72発。
ただ、装弾数を増やす代償として、一発辺りの威力や、集弾性はよくない。
≪作成には同一のマテリアルが10個必要です≫
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「俺が使う事はない。フッセに渡したら……どうだろうな?」
「ブーン。迷っているなら連絡すればいいと思います」
「それもそうだな」
マシンピストルは銃器の時点で俺が使う事はない。
しかし、対応特殊弾になんか恐ろしい文字が見えているな。
大量のマテリアルと金をばらまく事にもなるかもしれないが、他にも色々と揃えば強い武器かもしれないな。
とりあえずフッセとリツに要るかと後で聞いておこう。
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広域攻撃耐性
種別:アドオン
称号:越禍の
適用したゴーレムがシールドを展開している場合、シールドが受けるダメージを、ダメージ源となった攻撃の効果範囲に応じて軽減する。軽減率は0.1%~10%
≪特定物質:緋炭石が100個必要です≫
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「……」
「悩んでいますね。トビィ」
では最後にアドオン『広域攻撃耐性』。
なのだが……これは判断が難しいな。
「まあ、いい悪いというか、アドオンに空き枠や効果を発揮しないものを入れておくよりはいいだろう。被弾時には必ず効果を発揮するアドオンではあるからな」
「ブン。そうですね」
「逆に言えば、被弾しなければ用は無いし、火力の増強にも繋がらない。防御系のアドオンだからな」
「それもその通りですね」
攻撃系ではなく防御系のアドオンなのは別にいい。
火力全振りってのは状況を見てやるべきものだからな。
相手の攻撃範囲が広ければ広いほど軽減率が伸びるというのは良い点だ。
パンプキンのブレス、シルリダーの衝撃波、バーナコの砲撃、と言う感じに範囲攻撃は増えているし、範囲攻撃を避けるのは当たり前の話だが難しい。
うーん、現状の知識を集めたい状況では、下手な攻撃系アドオンよりも優秀かもしれないな。
「ブーン。では何を悩んでいるのですか?」
「いや、大したことじゃないんだが、最大軽減率を発揮するような攻撃ってのはどういうものになるかと思ってな」
「ブ……あー……確かに悩ましいですね」
問題は軽減率の伸びがどの程度なのか分からないという事。
銃弾などが相手なら最低限の軽減になるだろうし、シルリダーの衝撃波ならそれなりに軽減できるとは思うが、それ以上は分からないのだ。
うーん、まさかとは思うが、10%軽減になるような攻撃と言うのは……フロア全域攻撃だったりしないよな?
それだとアドオン『広域攻撃耐性』の価値が上がると同時に、そんな攻撃を撃ってくる魔物の存在に辟易する事になるかもしれないな……。
「ま、試してみるしかないか。緋炭石の余裕を見てから作ってみよう」
「ブン。そうですね」
まあ、分からないこと、分かってないことを過度に嫌がり、怖がっても仕方がないか。
「じゃ、ラボに戻って、ゴーレムの調整をしたら集図坑道とやらに行ってみるぞ」
「ブン。分かりました」
俺は店の外に出るとラボに戻った。