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80:第三坑道・アルメコウへの進入

『さてトビィ。無事に戻ってきましたが、これからどうしますか?』

「準備を整えてから第三坑道・アルメコウに挑む。未だに誰も攻略に成功していない辺り、何かしらのヤバい話があるんだろうが……挑まない理由にはならないからな」

『ブン。その通りですね』

 素材坑道・デイマイリを脱出した俺はアバターに意識を移すことなく、次の探索に向けた準備を始める。


「そうだな……とりあえずイグジッターと特殊弾『緊急脱出弾』は作る」

『ブン。遂にですか……』

 準備1、イグジッターと特殊弾『緊急脱出弾』。

 なお、作成には岩だけ使う。

 それと基本的にはインベントリに入れておく。

 普通に戦う分にはイグジッターを俺が使う事はあり得ないからな。


「次にハードバトンと特殊弾『睡眠』だな」

『ブン。確かに必要ですね』

 準備2、ハードバトンと特殊弾『睡眠』。

 こちらはハードバトンは真鍮・電撃で作成し、特殊弾『睡眠』は6発作って装填しておく。

 で、グレネードホルダーとは逆側の腰に提げておく。

 使い道は……まあ、色々あるな。


「それから特殊弾『シールド発生』」

『ブーン。どのマテリアルで作りますか?』

「とりあえずは銅だな」

 準備3、特殊弾『シールド発生』。

 これは銅のマテリアルで4発ほど作っておき、デイムビーヘッドに装填しておく。

 これで坑道突入と同時に自分に対してシールドを展開することが出来るだろう。


「折角だからヒールバンテージ」

『ブン。確かにあって困るものではありませんね』

 準備4、ヒールバンテージ。

 特殊弾『シールド発生』が使えるようになったおかげで、損傷したシールドを回復できるヒールバンテージが機能するようになった。

 燃料は消費するし、それがどの程度の消費かも分からないが、特殊弾『シールド発生』の節約になることは間違いないだろう。

 なお、銅のマテリアルで作り、右肩近くにバンダナに似た形で巻きつけておく。


「うーん、消費が重い……一回の探索準備でこれだけのマテリアルを消費して、しかも坑道内で倒れたら全部吹っ飛ぶわけか……」

『ブン。ですから、無理はするべきではないです』

 準備完了。

 大量のマテリアルと緋炭石が吹っ飛んだなぁ、うん。

 一応、一覧にして出してみる。



△△△△△

トビィ

称号:『キャンディデート』

燃料:100/100

アドオン:オートコレクター


頭部:デイムビーヘッド(青銅):魔力-魔術-境界-防御(特殊弾『シールド発生』銅4)

胴体:デイムビーボディ(青銅):電撃-生物-外部-DoT

右腕:ラミアアームR(青銅):物理-生物-内部-DoT

左腕:パンプキンアームL(青銅):侵食-物理-内部-拘束

脚部:オークレッグ(青銅):拒絶-魔術-境界-防御


武装:ナックルダスター(真鍮・電撃):電撃-化学-外部-強化

武装:シャープネイル(真鍮・電撃):氷結-魔術-境界-強化

武装:グレネードホルダー(銅):侵食-化学-外部-遮蔽

武装:ドローンネスト-ホーネット(銅):魔力-化学-境界-召喚

武装:ドローンホーネット(肉):電撃-化学-外部-DoT

武装:ケットシーテイル(粘土):氷結-生物-内部-強化

武装:イグジッター(岩):時空-魔術-境界-脱出(特殊弾『緊急脱出弾』1)

武装:ハードバトン(真鍮・電撃):魔力-魔術-外部-拘束(特殊弾『睡眠』6)

武装:ヒールバンテージ(銅):魔力-魔術-外部-回復

▽▽▽▽▽



「そして表示が長くて、割と体全体がゴチャゴチャしているな」

『ブブ。そうですね。では減らしますか?』

「そうもいかないんだよなぁ。現状で必要なものしか積んでいないと俺は思っているから」

『ブーン。確かに減らせそうな武装はありませんね』

 武装9個か……。

 一応これくらいまでなら、俺が使っている武装が小物ばかりという事もあって、全てを同時に展開していても消費する燃料に目に見えるほどの悪影響は出ないようだ。

 それでもドローンホーネットの燃料補給やデイムビーボディの針、グレネードの補充、ヒールバンテージの機能などなど燃料の消費を伴う機構は順調に増えているので注意は必要だろう。

 とりあえず準備運動をして、問題なく動き回れることを確認。

 うん、問題はないな。


「ようし、第三坑道・アルメコウに挑むぞ」

『ブン。分かりました』

 俺はエレベーターに移動。

 第三坑道・アルメコウをソロモードにした上で選択する。


『ブーン? ソロモードなんですか?』

「ヤバいところなのは確かだからな。だからこそまずはソロで挑んでみて、正確な難易度を把握しておきたい」

 エレベーターが移動を開始。

 ゆっくりと降下を始める。



△△△△△

第三坑道・アルメコウ

階層:10


一人前のゴーレム使いが挑む坑道。

計り切れないほどに大量の緋炭石とマテリアルが眠っているとされる夢に満ちた坑道であると同時に、無尽蔵に魔物が湧き出し続ける悪夢に満たされた坑道でもある。

故に、得られる財と危険性もこれまでとは比べ物にならない。

挑戦者の健闘を祈る。

▽▽▽▽▽



≪街坑道・ヒイズルガより通信が入りました≫

「スキップで」

『ブン。後で文章で出しておきますね』

 なお、エレベーターが降下する間、また街坑道・ヒイズルガの長であるヤマハからの言葉があったが、早々にスキップさせてもらった。

 いやだって、延々とこれまでの挑戦の歴史とか語られても眠いだけだし。


「さて、開幕は……面倒そうな予感がしてきたな」

 やがてエレベーターの扉が開き、俺が足を踏み入れたのは……。


『ブン。火炎属性のマップですね。トビィ』

「なるほどな」

 岩の壁面に張り巡らされた大量のパイプが火を噴き、燭台のように周囲を照らしている通路。

 坑道は坑道でも、ガスや石油に関わりのありそうな空間だった。

03/25誤字訂正

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