表題通り、この度拙作「エリスの聖杯」を書籍化して頂けることになりました。
このような幸運に恵まれましたのも、いつも応援して下さる皆さま方のおかげだと思っております。本当にありがとうございます。

ただもうご存知かとは思いますが、この話は偏った趣味とこの上ない面倒臭さを詰め込んでおりまして、完結までついて来て下さった皆さま方の懐の深さには自信があるんだけれど、肝心の話の内容が万人受けするかと言えばそうではないと思うし、文章が読みやすいかと言われればそっと目を逸らすし、登場人物の数を訊かれた日には　全　力　で　逃　げ　る　。

そんなわけでして、最初の話し合いのたぶん５分に１回くらいは「大丈夫ですか？」「これ、大丈夫ですか？」「え、ちょ、これ、本当に大丈夫……なん……です……か……？」って清志郎も驚くほどの壊れかけのRADIOになってましたし何なら今も思ってる。いや不安で。むしろ不安しかなくて。

でも担当してくださった方がびっくりするくらいいい人で、その都度「大丈夫ですよ」って言ってくださって、大丈夫の根拠は特になかったんだけどそれすらどうでもよくなるほどの安心感で、なんか途中から編集っていうのは仮の姿で実は日々世界を救うアベンジャーズ的な何かなんじゃないかと真剣に思い始めて気づいたら「あれ……なんか大丈夫な気がする……」ってなってたという奇跡。

ついでに白状してしまえば、私、幼少期から割と捻くれた人間だったので青春らしい青春を送ったこともなくて、むしろ青春なんて中指立ててこちらからお断りする勢いで、つまるところ「みんな」と一緒に何かを頑張った経験なんてほぼ皆無だったんですよね。でもなろうさんで投稿し始めて、たくさんの感想を頂いたり拍手をポチポチして頂いたり畏れ多くもレビューなんか頂戴してしまったりなんかして、本当に勝手になんですけど、途中から「みんな」で何かを作っているような気になっていて。たぶん皆さまがいなければ「エリスの聖杯」はもっと独りよがりの話になっていたでしょうし、そもそも完結までしなかった未来にオールイン。

だから書籍化のお話しを頂いた時に割と本気でPNを「常磐と愉快な仲間たち」に変えようかと思いましたし（ただの芋焼酎になりましたが）、本になる喜びはもちろん、それ以上に皆さんのおかげでしたっていう気持ちの方が大きかったという愛が重すぎてごめんなさい。

そして大変ありがたいことに拍手や感想などでチラホラ続編を読んでみたいというお言葉も頂いているので、夏くらいから冷やし中華はじめました的な後日談を開始しようかなと考えております。

ちなみに冷やし中華が月見バーガーになって絶対的王者グラコロがウォームアップを始める頃にはきっと発売されているんじゃ……ないかな……（小声）

というわけでちょっぴり先の話にはなってしまうのですが、
願わくば、また皆さまと一緒に「エリスの聖杯」を作っていければなと思っております。