ジェームズ・リッチマンのレビューした作品一覧

レビューした作品一覧全4件
この作品に魔法は出ない。いわゆる普通のゾンビモノであり、人間たちを主人公としたものである。 ジャンルがホラーとなってはいるものの、SFや冒険に近い人間たちによるサバイバルパニックといったところだろうか。 この作品のゾンビ達の感染力と戦闘力は非常に高い。世界中の軍事力を動員しても対処が難しく、人間たちは絶望的なサバイバルを余儀なくされる。 しかしそれでも人の数は多く、運のない大勢の中でも非常に運の良い人間は生き残る。一部の主人公の序盤は、もはや運だけで生き残っていると言っても過言ではない。 しかし、脆弱な人間達が巨大な危機に瀕した時、味方をするのは運なのかもしれない。これは、その極々僅かな幸運な生存者達が、非常に強いゾンビへの対抗策を模索する物語である。 強いゾンビが見たい人は一度読んでおくと良いだろう。
レビュー作品 終焉のコドク
作品情報
リッチといえば、“魔法が使える老いた躯”というイメージが先行しがちだが、この作品の世界でいうリッチは、必ずしもそうとは限らない。 「魔法死幼女セレスト」というタイトルが示す通り、この作品での主人公は、なんとリッチな少女魔道士(兼研究者)なのである。 魔法設定が細かく練られており、度々発生する魔法を用いた戦闘に厚みを持たせている。主人公セレストのリッチという種族の説明が細かくなされていることも、嬉しい点だ。 主人公一同が時折魔法の研究に傾倒する姿も、リッチらしく知的で素晴らしい。 ただ主人公のリッチ、セレストとその契約悪魔であるスナッチの戦闘の割合が大体半々というのが、惜しまれるところ。(余談だがスナッチのモチーフは、マクスウェルだろうか)。 リッチツエー物が好きならば、一度読んでみて損はない。
主人公モモンガ(アインズ)はゲームのプレイヤーであり、ナザリック地下墳墓を支配するギルド、アインズ・ウール・ゴウン(ainz ooal gown)の主である。 彼は、多数の魔物を従えるリッチの上位種、つまりリッチの中のリッチであり、お金持ちなリッチであり、リッチの王たる風格はその忠実なる部下たちの活躍からも見て取れる。 末端に至るまでの部下を含めた主人公の勢力があまりにも強いために、読者にとって異世界へ送られたことによる不安などは一切ないのだが、主人公はかなり慎重を期して行動する。そのため、作中で少々慎重すぎる場面が多く、主人公本人が動く場面は少なめだ。 この作品は、アインズ・ウール・ゴウンという組織や、その強大な力が及ぼす影響を読む作品だと言っても良い。 作中に登場する通常のリッチの扱いに少々首を傾げる場面はあるものの、リッチなら一度は読んでおくべき作品である。
主人公が記憶を失ったリッチ。 いわゆる異世界転生、トリップものの一種であるが、本人が記憶を無くしているので、そこは重要ではない。 この作品では主人公であるリッチが自分の法外な力を段々と使いこなしていく過程と、新たな力を手に入れて更に強くなる過程が描かれている。 探り探りにやっていくため、リッチとはいえ油断できない所に見応えがある。 平行世界、Ifの方の流れでも面白いとは思うが、このゆったりしたやりとりのリッチの魅力とはまた別物である。 これはこれだ。 読もう。